LaTeX がファイルをなにか読み込むときには,コンピューターの中から目当てのファイルを探し出すのにそれなりの時間がかかります. システムによっては,この時間を短縮するために予めコンピュータ内のファイルとその保存場所の一覧表を作っておいて,ファイルを探すときにはその一覧表を参照するように設定されているものがあります. この一覧表でファイルを管理しているシステムにおいては,新しいパッケージなどをインストールするたびに一覧表を更新してやらないとせっかくインストールしたつもりのパッケージも LaTeX から見つけてもらえずに使用できません. 一覧表を使わないシステムにおいては,そのような更新作業は必要ありません. 手元のシステムで一覧表を利用しているかどうかは,ls-R というファイルが存在するかを調べるとわかります。
この一覧表の実体は ls-R というファイルです。ls-R の名前の由来はUNIX コマンドから来ており、ls コマンドに -R オプションを付けたものです。ls-Rの中身は名前の由来通り、ls -R の結果が吐き出されたようなものであり、すなわち、ファイルの一覧を再帰的に深くまで表示したものです。 ls-R ファイルを新規に生成あるいは更新するコマンドが mktexlsr*1であり、mktexlsr は $TEXMFDIST, $TEXMF, $TEXMFLOCAL などをたどって、そこにあるファイルのリストを記録した ls-R ファイルを作り出します。