ここではHブリッジ回路が内蔵されたドライバICを用いてモータの駆動を実現する. 例としてTA7291Pを対象とするので,他のICを使用する場合はそのICのデータシートを参照し細かな調整を行うこと.
HブリッジドライバTA7291のブロック図を図1に示す. 大きく分けて,電源関係・入力・出力からなり,ブロック図では出力OUT1/OUT2にモータの端子両端を接続することでモータを正回転・逆回転に駆動することができる. 図より,TA7291シリーズでは1つのICで1つのモータを駆動する. またICでは,本体に鉤爪など印のある方がピン番号1である(図2ではピン番号は左から1,2,...).
端子名 | 説明 | TA7291Pの時の例 |
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Vcc | ロジック側電源端子.IC駆動用の電源. | 4.5~20V |
Vs | 出力側電源端子.モータ等負荷に電力を供給. | 0~20V.Vref ≦ Vsでなければならない. |
Vref | 制御電源端子.モータにかける電圧を制御. | 0~20V. Vref ≦ Vs でなければならない.(Vref+0.7)Vくらいの電圧がモータにかかる. |
GND | GND | |
IN1/IN2 | 入力端子.PWM信号OK.IN1から入力されると正回転,IN2からだと逆回転,のようなもの. | |
OUT1/OUT2 | 出力端子.モータの両端に接続. | 出力電流の絶対最大定格(Ta=25℃)は1.0A(平均),2.0A(ピーク) |
ここでは,Hブリッジ回路が内蔵されパッケージ化されたICを用いた回路を作成し,動作実験を行う.
最終的に作成する回路図を考えてみよう
モータドライバICはHブリッジ回路に加え過電流に対する保護回路などが内蔵されているICである.基本的にはHブリッジ回路に対する信号とモータへの出力からなる.各ICのピン番号を見ながら,自作と同じようにモータを繋げ,入力に応じて動くものをつくればよい.
以下はTA7291Pを二つ用い,二つのモータをコントロールする回路の参考画像である.抵抗・コンデンサを全く使用していない,”とりあえず回路”.