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認知ロボティクス研究室>研究>その他>Archives>3年生研究課題調査研究紹介用(2009)

当研究室の紹介

メンバー

当研究室で行っている研究の概要

興味のあること.研究室の原点

当研究室では「知能ロボット」の実現に向けて日々研究を行っています.その出発点ともなるべき問が,「知能って何?」です.

知能って何?.jpg

知能を持っているものとして皆さんがまず思いつくのは,「人間」だと思います.人間には高度な情報処理ができます.コミュニケーションや推論,学習して知識を増やすことも得た知識を用いて想像することもできるとされています.恐らく一般的な印象としては,これら様々な能力を総称して「知能」である,というものだと思います.それでは,「知能」的であるために必要な能力とは何なのでしょう?どのような能力がどのくらいあれば「知能」があると言えるのでしょう?また一つ一つの能力を見ても,ある/ないの二択ではありません.コミュニケーション能力を例にとっても,高い能力のある人もいれば,全くないわけではないが...という人もいます.

更に,意見の分かれていくところですが,動物にも知能がある,と感じる人もいます.身近なところでは犬・猫に知能を感じる人も多いのではないでしょうか?しかし人間がもつ能力と犬・猫がもつ能力とを同じように比較することは困難です.それでも,「知能があるか?ないか」という判断を人間は行うことが出来ます.では,犬や猫ではなく,昆虫ではどうでしょう?昆虫には昆虫独自の能力が沢山あります.この場合はどうでしょう?

このように人間同士や人間と比較的人間に近いものとの間では,「知能」の有無の判断は容易です.しかし異なる種同士であればあるほど「知能」の判断は困難になっていきます.なぜでしょうか?

私達は,(少なくとも)人間は「知能」を直接見ること・感じることができないからである,と考えています.身振り手振りや表情,発話などの身体の振る舞いによって間接的に「知能」を感じることのみができるのだと考えます.

知能については各分野の人々が古くから考察を行ってきています(哲学が代表でしょう).しかし現在に至るまで万人が納得する答えは出ていません.つまり,現段階ですぐに「知能」を知り,「知能」を持ったロボットを実現することは大変困難です.そこで,「知能」的かを判断する身体の振る舞いに注目します.そして,「知能」を感じさせる身体の振る舞いとはどういうものかを考え,機械(特にロボット)に実装し,はたして振る舞いによって「知能」を感じさせてくれるのかを検証し,「知能的な振る舞い」の実現を行っていきたいと思っています.

振る舞いを通して「知能」を考える.png

色々な分野で考えられている「知能」

「知能」に対する興味は古くから人間を捉えて離さなしませんでした.古くは哲学の分野で人間への興味が見られ,その一つとして人間のもつ「知能」とは何か,が考えられています.この命題は古くからありますが,"考えられていた"と過去形にできるような答えの見つかった命題ではなく,未だ考え続けられていながら答えの見つけられない問題です.

このような「知能」への興味は伝奇・神話・フィクションへも影響を及ぼし,「知能をもった何か」に関する記述が多く見られます.もっとも古いものは,ホメロスの『イリアス』に登場する黄金製の少女・オートマタ(紀元前8世紀頃)や青銅の巨人ターロス(紀元前3世紀頃)などがあり,現在の知能ロボットの原型ともいえます.

このように,「思考」で知能を解き明かそう,という流れとは別に,医学の分野でも知能の解明が試みられています.それは,知能を発生させる脳の構造を明らかにし,脳の持つ機能を解析し,それによって人間が「知能」と考える現象はどのように発生するのかを解明しようという試みともいえます.

これらは,まず人間にある「知能」があり,それを解明したい,という欲求からスタートしています.一方,工学における「知能」への係わり方はちょっと変わっているといえます.個々の研究者のスタート地点としては「知能」への興味,もっといえば小説や漫画が示してくれた「知能ロボット」への興味が在った場合も少なくはないのですが,工学という分野が示すスタート地点は,"より便利な機械をつくるための道具・方法のひとつとして知能の搭載"があったといえます.これは工学(Engineering)が,人間の利益を産む技術の開発,という役割を持っているためです.

それぞれの分野では,それぞれの分野特有の役割があり,それぞれの分野特有の興味や目標がうまれます.それが現在,「知能」という興味・目標によって,それぞれ異なった視点を持つ分野が集まり協力しあえる状況になってきています.

知能に魅かれる分野.png

工学における知能研究とその問題点

工学において知能研究を行っていくうえで,他の工学系分野では見られない特有の問題があります.それを明確にするために,まず一般的と思われる工学部における研究の流れについて説明します.

工学における研究の流れでは,まず目標の設定が行われます.次に目標を実現するための方法を考えます.どのようなアプローチで目標実現を行うのか?どのような手法が使え,どのような結果を出すことによって目標実現を確かめるのか?そしてどのようなスケジュールで行うのか?それが決定したらスケジュールどおりに実験を行い,結果を出します.出てきた結果が予想通りの場合もあれば,予想外の結果やうまくいかなかった,という結果の場合もあります.そこで重要なことは,「予想通りの結果を得る」ことではなく,出てきた結果を正しく評価し考察することです.予想通りうまくいったのなら何故うまくいったのか?どのくらいうまくいったのか?よい結果を得られなかったのなら,何故得られなかったのか?よい結果を得るためにはどのような改善が必要か?このように考察を行うことで,行った研究をもとに改善・発展させた更にすばらしい研究を行うことができます.

ここで,工学における知能研究とは,「知能の実現」が目標となります.しかし,様々な分野で共通に議論されていることは「知能って何?」ということであり,いまだに「知能」の定義が定まっていません.このことは,目標とする「知能」の定義が定まっておらずあいまいであることを示しています.目標となるものがあいまいだと,その目標達成に対する客観的な評価を行うことができません.それはつまり,行った研究がよいものなのか価値のあるものなのかを論じることができず,これからの研究としてどのように改善・発展を行っていくべきかというビジョンも見えにくくなります.

工学における知能研究の問題点.png

なにを「研究」したいのか?大きな目標の設定

当研究室で考える,知能研究の第一歩は自分なりの「知能」の定義を考え,明確にすることです.

それは,客観的な定義であり,他者に論理的に説明できる定義でなくてはいけません.考えた「知能」にあいまい性があり,時と場合と人により内容が変わってしまっては,「知能ロボット」を創ることが出来ず,また『創れた』と言い張っても誰もそれを評価できません.

また,その定義は短期的もしくは長期的にみて人類に(もしくは何かに)有益をもたらす定義であった方がよいです.それは,人に利益をもたらす技術をもたらす使命を持った「工学」の位置づけであると同時に,「そのような定義とすることで生まれる拘束力」が定義を考える手助けともなるからです.

これらをふまえて,当研究室では考える手掛かりとしてロボットの歴史を用います.これまで,「ロボット」とは人間にとってどのようなものであったのか?フィクション等によって,人間がもつ「ロボット」のイメージはどのようなものになっていったのか?今,どのようなイメージを私達は持ち,どのような「ロボット」であって欲しいと願っているのか?また機械としてのロボットはどのように発展してきたのか?各時代に応じてどのような要請があり,どのように答えてきたのか,そしてそれらの延長上として,今の時代にどのような要請がロボットにあり,どのように答えていくのか,を見ることができます.そこに,私達が欲している「知能」とはどのようなものか,と考えると,ひとつのヒントになると思っています.

このように,自分なりの「知能」を明確にイメージするところが研究の第一歩であると同時に,実はそれが最終ゴールでもあります.「知能」を知ること,そして「知能を知るための研究方法」を知ることが,当研究室でのテーマです.

「知能」の定義が第一歩.png

工学における目標達成:ロボットを用いた「知能」の研究

ロボット発展の歴史

知能面

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身体面

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"移動能力"によって引き起こされたもの

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ロボットの直面する環境:実環境

実環境の複雑さ

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実環境の複雑さに対して「ロボット」は?

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適応する,とは?死なないよう,壊れないよう動き続ける難しさ.

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生物の知能とロボットの知能の交差点

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目標達成へ向けてどんなことをしよう?

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当研究室の研究テーマ概要

これまでの研究

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3年生で行うゼミ

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Last-modified: 2023-03-29 (水) 10:47:55