“モノ”の形を作るための加工は
“切る”, “折る”, “張る”
あたりである.
切る
部品を希望の形に切り出したり,ネジなどのために穴をあけたりすることである.または棒状のものなどから削りだして希望の立体を抽出する.
折る
部品を山折り/谷折りし,立体を形成する.厚い金属板などでは,折った箇所は丸みを帯びたり部分的な伸縮がおこり,密度変化が起こる.一般に精度は悪い.
張る
部品同士をくっつけることである.ボンドや接着剤などの溶液による接着から,ネジ止め,溶接など色々と方法がある.
ダンボールを使って,arduino用の土台を作成してみよう. 何かを作るとき,ダンボール・木材・プラ板で作ってみることは金属板で作成する前の試作やモックアップとなる. 今回は,カッターで”切る”,手で”折る”, 錐で”穴をあける”などを行ってみる. 図は,例えばプラ板で作成した場合の土台である.
図1 arduinoの土台の例
順序が逆のようだが,作ったものを図面にして残しておく. 例えばダンボールで大まかに作っておき,問題なさそうであれば図面におこして金属板の加工に用いる,など考えられる.
今回のようにダンボールや金属板など板状のものを加工するものだと,展開図が適切である. 展開図は,板状のものを切ったり折ったりして加工する場合に,加工前の形状をもとに図面を書くものである. 具体的には,加工前の板(四角)を外形として書き,(必要であれば)要らない部分を切り落とすように外形線をつけたし,あける穴の位置やサイズが正しくなるように円を書き,折り曲げする線を記入する. 更に,それぞれの寸法を記入して図面を見て同じものが作れるようにする.
本来,完成図と展開図を並べて書くが,まずは気にせず展開図を書いてみる.
参考
初心者のための機械製図 p.40
図2 初心者のための機械製図(研究室所蔵)
今回特に気にすべき点は”線”についてである. 製図で使用する線としては太さと種類について気をつけなければならない. 太さは3種類あり,図3のようになる. また種類は4種類あり,図4のようになる.
図3 線の太さ
図4 線の種類
このうち,よく用いられるものの用途は以下のようになる.
線種 名称 用途 太線・実線 外形線 対象物の見える部分の形状を表す 細線・実線 寸法線 寸法を記入する 細線・破線 かくれ線 対象物の見えない部分の形状を表す 細線・一点鎖線 中心線 図形の中心を表す 基準線 紙の中心など基準を表す 細線・二点鎖線 創造線 加工前または加工後の形状を現すのに用いる