FETによるモータ駆動 にて示した図をもう一度下記に示す.
モータは電圧をかける方向を変えることで回転および逆回転させることができる.よって図1では,モータは一方向にしか回転させることが出来ない事が分かる.そこで回転方向を自由に変えることのできる回路を考える.実現方法として以下の二つの回路を紹介する.
±Vcc使える場合
モータ駆動電圧として,正負異なる電源を使える場合に図2で表される回路が使用できる.左が回路図で右が電池を想定した例である.この回路はTブリッジ回路と呼ばれ,正電圧側のスイッチをオンにすると正回転(とする)し,負電圧側のスイッチをオンにすると逆回転する.ただし,二つのスイッチを同時にオンにすると正負の電圧間を短絡し危険である.
+Vccしか使えない場合
図3の回路は,Hブリッジ回路と呼ばれるものである.モータの駆動電圧が1つで済み,また正回転・逆回転に加えてブレーキ機能を持つ.それぞれスイッチ(入力)に対する機能を以下の表に表す.
欠点としては,ちょっと複雑.部品点数が増えてしまう.イコール,製作時に間違いやすい.
ただし,最近ではHブリッジ回路に様々な保護回路がくっついたものを一つのICにパッケージしている製品があったりするので,買ってくるなら楽である.
SW1 | SW2 | SW3 | SW4 | 機能 |
---|---|---|---|---|
OFF | OFF | OFF | OFF | ブレーキ |
ON | ON | OFF | OFF | ブレーキ |
ON | OFF | OFF | ON | モータの左から右へ電流が流れ,正回転(とする) |
OFF | ON | ON | OFF | モータの右から左へ電流が流れ,逆回転 |
ON | OFF | ON | OFF | モータの左側のラインが短絡!危険!この設定は禁止 |
OFF | ON | OFF | ON | モータの左側のラインが短絡!危険!この設定は禁止 |
ここでは,FETによるHブリッジ回路を作成し,動作実験を行う.
最終的に作成するHブリッジ回路はどうなるか考えてみよう
部品名 | 個数 | 備考 |
---|---|---|
ブレッドボード | 1 | ジャンパワイヤも |
電子部品 | 必要分 | 抵抗,コンデンサ,FET(2SJ334, 2SK2232) |
モータ | 1 | マブチモータなど |
回路の駆動テスト